わが国は昭和の高度成長期を経て平成、令和と徐々に成熟期に入っていきます。加えて少子高齢化を伴う総人口の減少は世の中の仕組みを大きく変えていくでしょう。日本の財政が逼迫していくなかで、現状の社会保障体制を維持していくことは甚だ困難を伴います。
今後、地域で自分らしく自律した暮らしを続けていくにはこれまでとは違った体制づくりが求められています。私たちは、高齢になっても障害を持っても、できる限り自律した生活を送るために、国土交通省のスマートウェルネス事業により「共生と多様性のまちづくり」Hygge Yamamoto(ヒュッゲ・山本)への挑戦を始めました。
共生(Symbiosis)と多様性(Diversity)の追求
高齢者や障害者が自律(自助)した生活を維持していくには、生活共同体としての地元住民による協力(互助)体制が不可欠であり、身近な場所に医療的支援がなければ安心して生活が送れません。また、障害者の自律した生活にはバリアフリーな生活の場と障害に見合った就労の場所が必要です。さらに子育て世代には学校や保育施設がないと安心して仕事に就けません。HyggeYamamotoは住民主体の近未来型共生社会の実現を目指しています。
当法人による「まちづくり」構想の目的は「医療・介護保険サービス利用を最小限度にとどめながら、継続して生活リハビリテーションを提供し、本来の自律した形での家庭・社会復帰を目指すシステムを構築していく」であり、これが基本哲学です。
住み慣れた地域で自律した生活を続けていくために、老若男女、疾病や障害がある人も、お互いが助け合っていきましょうということです。それでも健康に不安を抱えていては何もできません。そのために病院が中心となって皆さんの健康管理のお手伝いをさせていただくことになります。
計画立案中に国土交通省のスマートウェルネス住宅等推進モデル事業の紹介を受け、本計画と趣旨が概ね一致したため、久留米市との協議をもとに2019年に事業着手をすることとなりました。